「なんか短かったなぁー。」

「そうだね。」

あたし達はホテルを出て

電車に乗って、今は家までの帰り道。

「今度はもうちっと遠出すっか。」

「うん、そーしよ。」

夕焼けが綺麗で、まぶしい。

なんだか

幸せだなぁ・・・なんて

あらためて実感。

「劉、ありがと。」

「んあ?何が?」

「あたしのこと、見つけてくれて。ありがと。」

ふつーになりたい

そんな夢は、完全には叶ってないけど。

でも、君に会えたから。

それで、

今だけはあたしだって

“ふつーの女の子”みたいだなって

思えたから。

「んじゃ俺もさんきゅ。」

「へ?なんで?」

「俺のこと覚えててくれたろ?」

「そ、それは・・・。」

あたしが視線を泳がし

答えを探す。

「「お互い様だね〔だな〕」」

・・・ハモった。

「「ぷっ・・・あはははっ・・!」」

あたし達は

同時に笑い出した。