「おはよう」
葛城 花音は目を擦りながら1年A組の教室に入った。今日から中学1年生になる。誰もいない寒い教室の机に顔を埋める。机が冷んやり冷たい。
「花音♪」
「あっ…おはよう」
教室に来たのは笹原 玲音。ルックス抜群で成績優秀。そして私とは幼馴染みだ。
「捻くれた顔しやがって」
「どわっ!」
玲音は私の顔を引っ張ってくる。こういうスキンシップは毎日の日課みたいなものだ。まあ私しか思ってないが(笑)
「今日も寒いな」
「うん。てか玲音、朝練は?」
「やべっ!じゃあまた後でな!」
玲音が部活カバンを掴んで教室から出て行った。ドーンと重い音が聞こえた。玲音は成績優秀なのだが運動音痴だった。なのに部活は運動部。よく分からない玲音だ。
「だけどそこがいいんだよね///」
私は玲音に恋をしていた。小さい時の玲音ももちろん好きだが大人になった玲音はもっと好きだ。玲音はこんか地味な女は嫌いだと思うが…
「まだ7時半か…何しようかな」
私は無意識に机に落書きをしていた。机には『玲音大好き♡』と…
「あわわ!///」
私は急いで消しゴムで落書きを消した。顔を触ると火照っている。よっぽど玲音が好きなんだなと思うともっと顔が火照ってしまいそうだ。
「花音~おはよう」
「音色おはよう♪」
この仔は私の小さい親友の笹原 音色。玲音の双子の妹だ。音色は少し顔が玲音に似ているが運動音痴ではない。逆に音色はバカだが…
「花音~クレープあげる」
「ありがと♪」
「花音ってお兄ちゃんのこと好きでしょ」
「ぶっ!///」
思わずクレープを口から吐き出しそうになった。
「はい、図星~♪」
「な、なんで分かるのよ///」
「見てたらわかる~恋する女の子は可愛いね~」
「う、うるさい!///」
私は照れながらもクレープで顔を隠しながら頬張った。あまり甘いのは好きではないがこれは甘さ控えめで美味しかった。
「花音と音色何食ってんの?」
「ぐっ///れ、玲音!///」
さっき部活に行ったはずなのになぜがまた教室に帰ってきた。
「クレープじゃん!くれ!」
玲音は花音の食べかけのクレープを食べた。花音の顔は赤くなっていく。