「なによ?

そんな大きな声出して。

もう、驚かさないでよ」


あたしを見てケラケラ笑う美咲姉ちゃん。


……そりゃ大声出すよ。

あたしが見てるのは、奇跡だもん。

まさかもう一度、美咲姉ちゃんに会えるなんて。

しかも、23歳の。


「冷蔵庫にチーズケーキがあるからね」

「あ、うん、わかった」

「ちゃんと大きい方残しておいてあげたからね」


そんな他愛のない会話に思わず涙ぐみながら、あたしは冷蔵庫から震える手でチーズケーキを取り出した。

お皿に移して、早速パクつきながら、美咲姉ちゃんに声をかける。


「拓海はもう食べたの?」


言いかけて――



ふと気付いた。