「ただいまー」


意を決してドアをガチャっと開けて。

バクバクと暴れる心臓とともに、靴を脱ぎ捨てて玄関を上がったあたしに返ってきたのは……


「おかえり、ミソラ」


甘えたような、高い鼻にかかった声。


(ああ……この声は……)


懐かしい声。

はちきれんばかりの期待とともに、あたしはリビングに飛び込んだ。


「美咲姉ちゃん!」


目の前に、初めて見る23歳の美咲姉ちゃんが立っていた。

色白で、目がぱっちりして、唇がぽってりした女らしい顔。

想像していたのより、ずっとかわいかった。


写真でもそう思ってたけど、改めてナマで見ると、本当に拓海によく似てる。