(こういうとき、女の子って適応力あるよね)


――女の強さはそこなのだ。



(……さて、どうすればいい?)


自分の頬を両手でバチバチと強めに叩いて、自分に喝を入れて。

あたしは深呼吸をひとつした。


引きこもってた美咲姉ちゃんは、自分からは病院に行かなくて。

部屋でひとりで産もうとしたのが、多分手遅れだったんだ。

美咲姉ちゃんを、強引にでも病院に連れて行くしかない。

家の鍵は持ってるけど、あたしが行くとややこしいよね。


(ケータイって、通じるのかな)


って、通じるわけないか。未来のケータイが。

でも、あたしのケータイ番号は4年前から変えてない。

……通じるのかも。


(いいや。ダメもとで)


あたしはお母さんに電話をかけてみた。