「……間違いない。

双子だろ、あんた」

「……いえ、違いますけど」


ナンパか?


(いや――

あたしの出生ってよくわかんないし、もしかしたら双子がいるのかもしれないな)


なんてことが頭をかすめる。


「そう……か……。

でも……待てよ、あのとき……」


最後の方はもごもごと、イケメンの整った口元の中に消えた。

そのまま、眉をひそめて考え込んでる。


「……?」


何なのよ。

てか、一応お客さんなんだから、もうちょっとましな接客してよ。


……ま、あたしはこの人の知り合いでも何でもないし、関係ない。

無言であごに手をあてて黙り込むイケメン店員にくるりと背を向けると、あたしは歩き出した。