「……遅かったな。

あんた一体何のつもり?

美咲と別れれば満足だったんだろ?

……てか、その子誰だよ」


両手をポケットに突っ込んで、だらっと壁にもたれて。

ぶっきらぼうな、怒ったような声があたしを襲った。


――そりゃそうだよね。

彼女と別れろ、別れたら会うって言っておいて、1ヶ月以上放っておいたんだから。

……あたしはさっき会ったばっかりなんだけどね。


「あれから美咲さんとは?」

「連絡してねぇよ……別れたし。

連絡も来ない」


でも最後にちゃんとやることやったんだね。


(ありがとう。よくやってくれた!

ほんとのほんとにありがとう)


あたしは内心で何度も手を合わせた。