明らかに野ばらは弱り、髪も抜けていった。 それと並行してお腹が膨らんでいく。 …見ていて痛々しかった。 緩いパーマをかけた似合っていた長い髪がなくなりニット帽を着用し、元から細いのに 更に細くなっていく。 出産前に死んだっておかしくないと思うほど弱っていく姿に、僕は涙が出るほど不安な日々を過ごした。 もうできないけど、もし中絶して助かるなら今すぐしてほしいくらいだ。 でも、そんなこと野ばらに言えなかった。 お腹をさすって我が子の誕生を心待ちにしてる姿に……。