だけど目の前の彼は、それを許してなどくれなかった。

「さっきは突然帰っちゃってビックリしたよー」

明るい声に、一瞬気が遠くなる。

「でも此処でまた会えるなんて運命だね」

ニコニコと悪気のないナル男は、いつの間にか止んだうちの両親の喧嘩も、その驚愕の目も気にする事なく私を見ていた。

「やっぱり来て良かった、君の事がずっと忘れられなかったんだ」

熱い視線が私を絡めとる。

「豊…?」

「豊さんどういう事なのかな」

詰め寄られ、ヒクッと喉が鳴る。

聞きたいのは此方の方ですっ

言いたい言葉をグッと堪えて静かに唇を噛んだ。

これから一体どうなるんですか!?