「返して」 うちら二人を押しのけてカバンを拾い上げたのは、 「羽橋 京華・・・!」 振り向く羽橋 京華の顔には、引っかき傷のような跡があって。 さあや。 直感的にうちはそう思った。 「きゃはッ!!! カバンと一緒に流されちゃえば!?」 花音が羽橋 京華の背中を蹴った。 羽橋 京華は個室の中に倒れこむ。 黒髪が便器の中の水に浸される。 酷い。人間か? 花音も、さあやも、夏樹も・・・ あ うちも・・・か・・・