そのままで

中学生になったとき、ファッション雑誌を初めて購入した。
そこにはメイクという魔法があった。これなら私も変われるかもしれない。これならみんなもまた、仲良くしてくれるかもしれない。そう思って心は弾んだ。

メイク道具なんて持っていなかった私は、母親の化粧品をこっそり使って学校へ行った。

今考えれば、みんなの反応なんてわかるけど、当時の自分はやっぱりみんなとまた仲良くしたいという気持ちが大きくて、きっとみんなこんな私を認めてくれると思っていた。



「おい!立川が面白いぞ!」


私の期待はもちろん裏切られた。笑われて、またみんなのいじめ心に火をつけてしまった。



それから私は不登校気味になった。
ただひたすら、メイクの練習をした。
顔さえ変われば…そうおもって。




そんな私を見て、親はどう思っただろう?

怒ったりはせず、優しく慰めてくれたお母さん。
勉強を教えてもらえるように先生にお願いもしてくれた。
どうして勉強しないといけないのか、その時には分からなかったけど、それは私を高校に行かせるため。ここにある高校じゃなく、離れた高校にも行けるように。



そう、新しい場所で新しい私が、新しい生活を始められるようにだった。