「あ、もう行きますね!ありがとうございました!」 美空は手を振りながら、体育館の中へ消えた。 「あー…………」 俺は体育館の外壁に寄りかかり、ズルズルと地面に腰をおろした。 そして、右手を太陽にかざす。 指をすうっと通り抜けた風は、ひどく気持ちのよいものだった。