「杏乃ー、おはよー」



そんな私たちの元に
駆け寄ってきたのが

幼馴染みの佐伯 梓 (サエキ アズサ)



「あら!梓くん!
男前になったわねー」

「へへ、ありがとうございます」

「なによあんた、高校デビュー?」



栗色に染めた髪を指差すと

梓は泣きそうな顔をした



「違うよ〜、杏乃が..その..
似合わないかな?」



この泣きそうな顔は梓の得意技

こいつは男のくせに
自分の可愛さを知っている。
むかつく。