「あなたを守れるのは私と春平だけです」

「いらねぇよ」


 けれど、何か起きた時に対処できる人間はいない。


「私達は影になります。何かあってからでは遅いですから」

「じじいは過保護すぎる」

「あなたを心配してのことです」


 使命感だけじゃない。

 本当に心から心配している。

 おこがましいことだとしても、それはある意味家族として。


 本当の家族はいる。

 今もよく連絡をとりあうくらい仲がいい。

 だから、私にとって時永も春平も第二の家族。

 尤も、春平は私とは根本的に事情が違うわけだけれど。


 そう、春平だって、あれでもこの男を心配している。

 間違えられて誘拐されたことがあるからこそ。