フェイス

「……余計なことを」

「余計なこと?」


 思わず、本音が漏れた。

 今日もこれまでと変わらなかったかもしれないのに。

 あんなものを生徒会ポストに入れなければ。


 なのに、彼は変えてしまった。

 紙切れ一枚で、壊した。

 私の気持ちも知らないで。


「自由か、そうでないかを決めるのは私よ」


 私は別に束縛されていたわけじゃない。

 あの男の方が私の存在によって束縛されていたのだから。