「本当に一人で来たのね」

「理由はわかってるよな?」


 二人のリーダー格が言った。

 急展開。

 “斎藤五人衆”と“女ヤンキートリオ”が組んだ。

 仲は悪そうだけど、利害の一致って感じ。

 利益とか計算できる頭はあったんだ、どっちも。


「どうせ、あの男のことですよね」


 私とこの人達の接点はそれだけ。

 たった一人の男のことだけで面倒なことになっている。


「わかってるなら、もっと利口になりなさいよ」


 わかってるっていうか、それしかないじゃない。

 それに利口じゃないのもわかっているけど、それは彼女達も同じこと。

 多分、ここにお利口さんは一人もいない。