「可愛いなぁ、風音ちゃん。本当に可愛い。このまま、連れて帰りたい感じ。妹にほしい! あ、そうだ。今度、まりりんと三人でパジャマパーティーしようよ!」

「か、考えておきます」

「だめ、決定です。まりりんと一緒に質問攻めにしちゃうから覚悟しておくように! 絶対寝かせてあげないからね!」


 伊東先輩の思いつきはちょっと危険な香りがした。

 適当にやり過ごそうとしたけれど、無理だった。


 そうして、伊東先輩は一方的に喋って去っていってしまった。

 渡された可愛いメモには携帯電話の番号とメールアドレスが書かれていた。

 その上にはなぜか“ゆりりん”と書いてあった。

 本当に面白い人がいたものだ。