「斎藤さん達の手口も知ってるし、いざとなったら私にも手があるし!」


 手って何だろう。

 実は伊東先輩も意外に強いとか?


「何か不謹慎だけど、青春の匂いって感じでいいなぁ。これ、私の番号ね! いつでも連絡していいからね? ほら、深夜でも早朝でも授業中でもお風呂中でも!」


 伊東先輩はポケットからメモを取り出してさらさらと書いて、差し出してきた。

 いつでもを強調したいのだと思うけど……

 深夜も早朝もお風呂中も普通に考えて迷惑だと思う。

 授業中とか、もっとありえない。


「あ、ありがとうございます」


 一応、気遣いには感謝しておこう。