「そうだ」

突然足を止めた要。


「どうしたの?」

私も足を止めて、要に向き直った。


「これ、会社の奴にもらったんだ」


財布から取り出したのは、

遊園地のチケットが二枚。


「明日休みだし、愛梨連れていこう?」


要は、私と愛梨を包み込むように、

抱きしめた。


「行く、行く!

愛梨も歩けるようになったし、

いこう!!」


満面の笑みでそう言えば、


「どっちが子供なんだか」

と、クスクス笑いながら、

要が私の頭を撫でた。