月夜の翡翠と貴方



ミラゼは「さて」と呟くと、屋敷を真っ直ぐ見据えた。


「もう一仕事、してこなくちゃね。今頃相棒が、頑張っているころだろうから」

じゃあね、と言って、軽やかにミラゼがその場から飛び退く。

そして、屋敷の玄関のほうへ、走って行った。


「…………も、もう一仕事って…?」

相棒、というと、イビヤのことか。

「……見に行くか」

ルトが小さくため息をして、私を見た。

「見に行くって………わ」


ルトが、私を抱き上げた。

「その姿じゃ動きにくいだろ」

楽しそうな笑みと、目がぶつかる。

「そ、それはそうだけど…」

「いいじゃん。今まで出来なかったんだから」


ルトは、優しく笑っていた。