月夜の翡翠と貴方



…相変わらずの調子だ。


ルトは私の体を離すと、立ち上がった。

自然と差し出された手を、ぎこちなく掴むと、私も立ち上がる。

そして、そのまま手を繋がれた。


…もしかしたら、これでよかったのかもしれない。

熱くなる頬を冷まそうと、もう片方の手の甲を当てる。


「…………で?見つかったって?書類」

「ええ。ジェイドちゃんのお陰よ」

数枚の紙束を手にしたミラゼが、私を見て笑う。

「え…私ですか?」

これといって、何もしていないのだが。

ミラゼは「ええ」と微笑むと、屋敷のほうを見た。


「ジェイドちゃんが、マテンから逃げてくれたお陰で、屋敷中大騒ぎよ。お陰で、私はすんなり屋敷に入れたわ」


ふふ、と笑うミラゼ。

…あれ、これは、まさか。


「えっと…何故、屋敷に?」

「マテンの私室から、必要な書類を盗み出すためによ。なかなかタイミングがなくてねぇ、ジェイドちゃんが屋敷中引っ掻き回してくれて助かったわ」

…これは。