月夜の翡翠と貴方



「…お前、なんなの?」

「知らない。ルトのものなんじゃない」

そう言うと、ルトが間抜けな顔をする。

「…え………」

「私の名前がジェイドのうちは、私はルトのものだよ」


じ、と見つめる。

ルトは、私に手を伸ばした。


彼の指が、頬に触れる。

甘くて、少しぼうっとした深緑に、捉えられる。


私は、その瞳を一心に見つめ返した。


「……ジェイドは、俺の?」


「…うん」


貴方が、そう言ったのでしょう。


こつ、と額がぶつかる。

ルトは、私の橙を覗き込んで、ニヤ、と笑った。



「……ジェイドの、ご主人様は?」



…やっぱり、ルトはずるい。

わかっている質問を訊いてくるところは、少し嫌だなと思った。


「…ルト、だよ」


…前から、わかっていたくせに。