月夜の翡翠と貴方



「意味わかんない…っ」

「ん…わかってる」


ルトの指が、私の頬に触れる。

顎に手を添えて、私を上へ向かせた。


そして、頬にキスをする。


「…………!」

何処か自嘲したような笑みをしたルトと、目が合う。

顔を赤くすると、彼はふ、と目を細めた。


「…可愛い」


…もう、嫌だ。

どうして、こんなに。

…こんなに、振り回されてばかりなんだ。

どうして、どうして。


「……ジェイドが、俺のこと嫌いになるのは、仕方ないと思う」


ルトが、涙で濡れたまぶたに、キスを落とす。