この髪が放つ存在感と異様さいうのは、私が思うより大きなものであるらしい。
…どうでも、いい。
そう思うのがいちばん楽で、私に合っている。
実を言うと、私を買ったのがルトでよかった、と思っている私がいた。
戸惑うこともあるけれど、本当にこんな主人は初めてなのだ。
…それはそれに、しても。
ルトの目的が、なにも見えてこない。
何故ルトは、奴隷を必要としていたのか。
今日の朝、エルガの店の裏で、私が駄目なら他を当たらなければならない、と彼は言っていた。
どうにかして、美しい女を奴隷から探し出さなくてはならない、そんな理由があったのだろうか。



