月夜の翡翠と貴方



マテンは私の姿を見て、目を細めた。


「…いいじゃないか。ほら、シズどのに挨拶なさい」


…ルトの驚きようからして、きっとマテンから何も言われていなかったのだろう。

このマテンという男は、一体なにがしたいのか。

もう、混乱さえ通りこして、頭が痛くなる。

ルトは、黙って私を見つめていた。

…たった一日しか経っていないのに、なんだか凄く長い時間離れていたような気がする。

また会うことになるとは、思っていなかったけれど。

私は恭しく礼をすると、優しく微笑んだ。

溢れ出してしまいそうな思いを、必死にこらえる。

「シズどのは、本当に良い品を持って来てくれた。なにもかも、私の理想だよ」

…全く褒められている気がしない。

全て皮肉に聞こえるのだが。