月夜の翡翠と貴方



眉をひそめ、中へ入る。

私と一緒に入ったのは、男ひとりだけ。

もうひとりの男が、すぐに扉を閉め、施錠した。

「……………」

…ここは、マテンの部屋ではないのか。

見渡してみると、何故か男の部屋にはないはずの、ドレッサーや鏡台がある。

一緒に入って来た男は、手に抱えていた四角の平たい箱を取り出した。


その箱の中に入っていたのは、薄い桃色のブラウス。

重なるようにして、下にスカートが入っていた。


「これを着てください」


…着る?

何故、…と、疑問に思う前に引っかかったのは、目の前の召使いの口調だった。

奴隷である私に、敬語?

この召使いの男は、先程私に『来い』と低い声を発した男ではない。

その隣で黙っていた、穏やかそうな男だ。