コツ、コツ、と入って来たときと同じ音を響かせて、マテンは階段を上がって行った。
…ルトが、この邸に来る。
いつ来るのかも、私にはわからない。
…もう、会ってもどうしようもないのだ。
私とルトの間には、何もない。
阻むものもなければ、引き合うものもない。
私だけが望んでも、仕方がないのだ。
ルトが、『それ』を望まないのなら、私達は引き合わない。
…わかっているのに。
心の奥で、酷く動揺している私に、私はもう気づかなければならない。
*
『朝食』と言って、男達が檻へもって来たのは、簡素なスープとパンだった。
手枷を外され、スプーンを片手に飲んだスープは、冷え切っていた。
すぐに食べ終えてしまい、後悔する。
ルトといて、圧倒的に今までと違う食事量に、慣れてしまったから。



