冷え切った私の感情を、ひとつ動かした、あの微笑み。
…また、思い出す。
人形のような私をずっと見ていた、ナタナが寝台の上で、囁いた。
『貴女の心の叫びが、聞きたい』
と。
*
目を開けて、痛む身体を無理矢理起こす。
…もう、今が朝か夜かもわからない。
目がはっきりと冴えているから、充分に寝れるぐらいの時間は経ったのかもしれない。
寒くて冷たい地下は、朝になっても夜になっても、暗さは変わらない。
夢の事を思い出す。
何故、あんな夢を見てしまったのだろう。
私の心は、まだ何かに甘えているのかもしれない。
…もう、無理なのに。
目の前の鉄柵を見つめる。
私はもう逃げる事など、不可能なのだ。



