月夜の翡翠と貴方



「……はは……………」


私は、いよいよ狂ってしまったかもしれない。

この状況で、笑みさえ浮かんでくる。

だって、もう笑うしかないじゃないか。

あんな風に、優しくされて。

懐いて、想って。

けれど結末は、こんなものだ。


欲張りすぎているのはわかる。

奴隷の分際で、これの他にどんな結末を思い描いていたのだろう。

考えたくもない期待を、描いていたかもしれない。

少しの情けを、期待していたかもしれない。

…全て、全て、ただの理想であり、現実ではあり得ないことだと、この身を持って思い知っていたはずなのに。


…ああ、やっぱりルトは、冷酷なひとなんだね。

振り返ったとき、見えた深緑に、私がどれだけ絶望したことか。

あれが、仕事のルト。


…ああ、でも、どうしてなのかな。


苦しいくらい…ルトを、嫌いになれそうにない。


思い浮かぶのは、ルトと過ごした日々で。