月夜の翡翠と貴方



…響き渡る声と音が、まるで遠くに聞こえる。

なんだか急に二人の間だけ、静かになったような、そんな感覚がした。

…だって、こんなにもルトの声が、はっきりと聞こえるものだから。

なんとなくそれが恥ずかしくて、私はぎこちなく疑問に思っていたことを口にした。

「…この服、よくサイズが分かったね」

ルトに買ってもらった、麻の白い服。

最初こそ気恥ずかしい思いをしていたのに、今ではもうすっかり慣れてしまったのだから、不思議なものだ。


「あぁ……わかるよ、大体は」 


そう言うと、ルトは私の左手をすっと掴んだ。

「!」

「顔見りゃ大体わかるけど、手繋いで思った。お前、指細すぎなんだよ」

左手で頬杖をつきながら、ルトは右手で私の手を掴み、眺める。