「ではシズどの、ご苦労だった。また明日」 マテンが、私の手を引いて、邸のなかへと入っていく。 …ルト。 ルト、ルト。 ルト! 声を出したくても、出せない。 振り返ると、見えた主人の姿は、無表情で。 暗い深緑を下へ向けて、その場に立っていた。 * ここは、どこだろう。 床の冷たさと、背中の痛みで目を開ける。