月夜の翡翠と貴方



ルトは、優しく頭を撫でてくれた。

……もう、もう。

この涙の勢いに飲まれて、溢れてしまいそうな。

想いが、もう…………




「…見つけた」


…頭を撫でる手が、止まった。

私の涙も止まる。

…………こ、の声は……

群青のテントに、黒い影がうつっている。

…向こうに、誰かいる…!


ルトが舌打ちをした。

向こうが近づいてくるにつれ、ルトが段々と鞘から剣を抜いていく。

そして、テントの前に来たとき。


ー…ジャキ、と、切り裂いた。


「…っ早く逃げろ!」

言われた通り、形をなくしたテントから離れる。

そして目に映ったのは、案の定レグートと………彼の後ろにいる、見たことのない大柄な男達。


こちらから、ルトの顔は見えない。

剣を持ったルトよりも、男達はひとまわり大きい。