やがて、囲うように周りが踊り始めると、ふたりも手を取り合った。
そしてセルシアの小さな、しかし確かなヒールの音が響いた。
優雅な音楽と共に、ふたりは踊り出す。
努力の成果なのか、セルシアの踊りは美しい。
ロディーも穏やかそうな笑みを変えることなく、セルシアへ優しい微笑みを向けていた。
思わず見入っていると、そばからノワードがこちらへ近づいてきた。
「おふたりとも、本日は真にありがとうございます」
「あ…いえ…………」
…ノワードは、瞳に涙を浮かべていた。
「今こうしてセルシア様が踊ることができているのも、あなた方のお陰です。本当にありがとうございます」
心底嬉しいと言うように、ノワードは目を細め、ふたりの姿を見つめている。
「…私達は、前向きな言葉をかけただけです。あのお姿は、確実にセルシア様の努力の賜物だと思います」
そう言うと、ノワードは眉間にシワを寄せ、静かに涙を零した。



