ガチャ…………
そんな音と共に目に入ってきたのは、眩しいほどに輝くシャンデリアの明かりだった。
そして目に映るのは、綺麗なドレスを見にまとった、令嬢、淑女。
正装姿の、紳士達。
いくつものテーブルに置かれた豪華な食事、高い天井に、細かな装飾が施された内装、シャンデリア。
「……………っ」
自分は今召使いで、ここにいる貴族達の目には、全く映らない存在だというのに。
薄れていた記憶が、一気に蘇る。
目を閉じてしまいそうになる。
けれど。
「ジェイド」
そう、優しく名前を呼んでくれるルトがいるから、私は今を信じることができる。
「…うん」
私とルトは、一歩踏み出した。
*
ざわざわと、貴族達の談笑が飛び交う。
私達は、扉の近くの壁にそばに立っていた。
夜会が本格的に始まり、なんとかこの光景にも慣れてきた。



