見方ひとつで、全く違うものになる。
全てをなかったことにして、変わることなんて赦されないけれど。
「…少し、気が楽になった。ありがとう」
笑って礼を言うと、ルトは明るく笑い返してくれた。
「…夜会、がんばろうな」
ルトの深緑が、強く私の橙を見つめる。
私は、その瞳からそらさずに、返事をした。
「うん」
ルトが、いるから。
きっと、大丈夫。
*
「…こちらですわ」
美しい純白のドレスを着たセルシアが、私達を廊下の奥の大きな扉へ促した。
もうすぐ、夜会が始まる。
セルシアが指した扉は、夜会のある建物への入り口だ。
「私は夜会が始まって、少し経った頃に行きますわ。それまで、適当に扉付近にいてくださると助かります」
なんせ主役だ。
もう夜会の会場には、双方の家から招かれた貴族たちが、集まって談笑しているころだろう。



