そしてこちらを振り返ると、静かに私を見据えた。
「……ジェイド」
びく、と、思わず肩が震える。
見ると、彼の目は苦しそうに揺れていた。
「…お前の名前は、ジェイドだ。俺が名付けたんだから、自分には相応しくないなんて、思うなよ」
「………うん」
情けないな、と思った。
気を遣わせている自分が、何より情けない。
大丈夫だと、思ったのに。
「……ごめんね…………」
思った以上に、両親と兄の死に、ショックを受けている自分がいる。
そしてその中で、私が変わろうとしていることも。
「……なぁ、ジェイド」
優しい声がしてそちらを見ると、ルトはこちらへ手を差し伸べていた。
「…少し、歩こうか」
憂いに満ちた、笑み。
私はその手をとると、「うん」と返事をして、歩きだした。
*
「俺さ、さっきのレグートの話聞いてて、思ったことがあるんだよ」
手を繋いで、古びた建物と、荒れた草花ばかりの道を歩く。



