月夜の翡翠と貴方



「…ああ。二年前に、ついに自害したよ。しばらくは路頭を彷徨っていたがね…貴族だった彼らが、落ちぶれた世界で生きることに耐えられなくなったんだろう」


………私がナタナの奴隷になってから、リズパナリのことは何もわからなかった。

そのあと両親がどうしたかなんて、なにも知らなかった。


「……兄…は………………」

震えた声で呟いた言葉に、レグートは変わらない笑みで答える。


「…さぁね。遠征中に、亡くなったんじゃないかと言われているよ」

「……………」

…そんな。

そんな....!


「…家族が皆、悔やみながら死んでいった。そのなかで、貴女はゆうゆうと生きている。それは、果たして許されることかな」


「…………………っ…」


私だけ。

私だけ生きて、変わろうなんて考えている。

それは、それは……………

「…ジェイド。なにも考えるな」

ルトが、レグートを睨みながら言葉をくれる。

けれど、でも…

赦される、ことなのだろうか。