月夜の翡翠と貴方



「…変わったな」


その言葉にはっとして、隣のルトを見る。

彼は私を見て、優しく微笑んでいた。


「いい方向に」


いい、方向に…

変わっているんだろうか。私は…

少しずつ。

「…………....…」

「...怖い?」

「..え…?」

怖い…………?

ルトは、やっぱり優しくこちらを見つめていた。


「…前に、言ってた。知らない感情が多くて、自分が自分じゃなくなるようだって。…今、自分自身が変わっていってるの、嫌だと思う?」


…覚えて、いたのか。

私でさえ、忘れそうになっていることを。


でも、確かに私は、そう思っていた。

…私じゃ、なくなるような…

…でも、今の私も確かに私で。


「…思わない」


怖いとか、嫌だとかは、思わない。

今だって、ルトに言われなければ、自分の変化に気づかなかった。

それくらいに、自然に少しずつ、私は変わり始めている。