「君に会えるのを、ずっと楽しみにしていた。今まで様々な御令嬢の縁談を受けたが、俺の妻になり得る女性は見つからなかった」
変わる一人称、余裕にあふれた口元。
頬を朱に染め、ロディーを見上げるセルシア。
「だが、君は俺の妻になるに相応しい。君のようなひとを望んでいたのだ。君が俺の妻となれば、きっとディアフィーネの貧困も救えることだろう」
…どうやら、セルシアはロディーに相当気に入られているようだ。
眉を寄せていたセルシアは、戸惑いながらも言葉を返した。
「…何故、そう思うのですか…?私に、他の方々とは違う、直ぐに見て取れるような長所があるとは思えません」
…確かに、セルシアにはこれといって令嬢として欠ける部分も、特別長けている部分があるというわけでもない。
増してふたりは今日久々に会ったというのに、ロディーはセルシアのどこに目を止めたのだろう。
彼は少し眉を下げたあと、「さぁな」と呟いた。



