月夜の翡翠と貴方



「敬語もやめろ。あと、笑え。気遣いには素直に応じろ。俺のことを友人だと思え」

「……………」

「あと、俺の名前はルトだから。ルト・サナウェル。様とか余計なものは付けんなよ。ルトでいい。呼び捨てな」


そこで、ずっと閉じていた私の口が、開いた。


「いや、あの……無理、です」


主人を、呼び捨てにしろだなんて。

敬語もそうだが、友人としてなんて無理である。

「……なんで?」

「……だって、貴方は主人ですし…」

「だから!」

突然荒げられた声に、びくっと体が震えた。

そんな私を見て、彼は「あ…ごめん」と謝ってくる。


…何故、謝る?

奴隷に、何故謝る?