月夜の翡翠と貴方



…ルト…?

何故、そんな瞳を。

やがて強く目を開くと、彼は強い瞳でレグートを見た。


「…あんたに、こいつは買わせられない」


静かな、低い声。

レグートが、眉をひそめる。

感情をたくさんに含んだような深緑は、敵を冷酷に見つめる暗い色とは少しだけ違っていた。


強く、何かを見つめて。

そらすことの出来ない瞳を、私は囚われたように見つめた。


そして、はっきりと、ルトはそれを言い放った。




「こいつを買ったのは、俺だよ。悪いけどこいつは俺のものだ」




強く、強く。


その場にいた皆が、目を見開いた。

………俺の、もの。

……私は…ルトの、もの。


レグートはルトの瞳に気圧されたのか、口元の笑みを歪ませた。


「………さっき、あなたは友人、と言ったはずだが」

「そう、友人だ。俺は主人ではないけど、こいつは俺のものだよ」


それは、ルトらしい答えで。

当初の『友人として』という認識を、ルトは『改める気はない』と言った。

『主人として振る舞う気はない』、と。