レグートは皮肉げに、ニヤリと笑った。
「貴女がマリアだったころの過ちと、貴女の両親の罪を、償ってもらうためにね」
私は、目を見開いた。
…過ち。
…両親の、罪。
…ああ。
思い出してしまう。
忘れたい記憶を、思い出してしまう。
私は顔を歪め、橙の瞳に涙を浮かべた。
「…っ、いや……っ」
「ジェイド!」
声が、した。
心地よくて愛おしい、声がした。
今唯一、『私』の名前を呼んでくれる人。
階段を駆け上がり、息を切らしたルトの姿が向こうに見える。
ルトは私とふたりの男を見て、目を見開いた。
「……ル、ト」
声が震える。
レグートはルトを見ると、冷めた目で低い声を出した。
「……おかしいねえ…ちゃんと閉じ込めたはずなんだが」
…閉じ込めた…?



