月夜の翡翠と貴方



私にはこれを受け取る資格などないはずなのに、苦しいほどに胸が締め付けられた。

私の、心が弱いから。

私は静かに、ミラゼから授かったナイフの鞘を握りしめた。







「それ、ミラゼから?」


南門をでて、森のなかを歩いていると、ルトが私の握りしめていたナイフを指差した。


「…あ、うん。護身用にって」

「ふーん…ジェイド、そのナイフ普通に扱えるから凄いよな。身のこなしも軽いし」

正直びっくりした、とルトが言う。

確かに、私は見た目からして弱々しく見えるのかもしれない。

私はルトを見上げると、平坦な口調を努めて言葉を返した。

「...ルトの方が、よっぽど凄いと思うよ」

「俺のは仕事だから。出来て当たり前なんだよ」

はは、と彼は笑う。