私にはこれを受け取る資格などないはずなのに、苦しいほどに胸が締め付けられた。
私の、心が弱いから。
私は静かに、ミラゼから授かったナイフの鞘を握りしめた。
*
「それ、ミラゼから?」
南門をでて、森のなかを歩いていると、ルトが私の握りしめていたナイフを指差した。
「…あ、うん。護身用にって」
「ふーん…ジェイド、そのナイフ普通に扱えるから凄いよな。身のこなしも軽いし」
正直びっくりした、とルトが言う。
確かに、私は見た目からして弱々しく見えるのかもしれない。
私はルトを見上げると、平坦な口調を努めて言葉を返した。
「...ルトの方が、よっぽど凄いと思うよ」
「俺のは仕事だから。出来て当たり前なんだよ」
はは、と彼は笑う。



