月夜の翡翠と貴方



「まだジェイドさんから聞きたいこと、いっぱいあるんだから。ね」


「…………………」


『また』。

その言葉に驚いて、一瞬何も言えなくなった。


....ああ、本当に。

こんな私には、もったいない約束だ。


「はい。また」


そう返事をして、優しく微笑んだ。

きっともう、二度と会う事はないのに。

約束を果たす事は出来ないのに。

その場のみんなが、嬉しそうに笑う。

苦しい気持ちが、胸のなかでぐるぐると巡る。

この行き場のない感情は、どこへ向かわせればよいのだろう。


「じゃあね」

ミラゼの言葉と同時に、ルトと私は皆に背を向け、南門をくぐった。


純粋な、優しく暖かい出会い。

ルトがいなければ、絶対に得られなかった出会い。

.......もう、二度とない出会い。