月夜の翡翠と貴方



「じゃあね」


ミラゼが、こちらへ手を振る。

ぎこちなく振り返すと、やはり優しく微笑まれた。

ルトのそばに行くと、見送りに来た人間みんなが、こちらへ手を振った。


「リロザによろしく」


ルトが笑うと、陽気そうな男が、「おう」と言った。

リロザは、家の事情で来れなかった。

色々とあったけれど、彼には感謝しているので、是非とも最後礼を言って別れたかったのだが。


「んじゃ」


ルトがそう言うと、皆がそれぞれに別れの言葉を告げた。


「じゃあ、またな」

「お仕事頑張って」

「またこの街に来いよ」


別れの言葉と同時に、次会う約束をする。

「ん。またな」

ルトも、容易くその約束を受ける。

私は、ルトの隣で手を振る。


すると、酒場でよく話しかけてくれていた男が、「ジェイドさんも」と言った。


「また、来てくれよ。歓迎するぜ」


カラッと笑った顔には、素直な意志が見て取れた。

その隣の女も、「そうよ」と言って明るく笑う。