背中を合わせて、眠る。
野宿のときなどは、毎回そうやって寝ていたから。
優しい雰囲気が、心地良い。
ここ数日、感じていなかったから。
「おやすみ」
ルトの声で、目を閉じる。
…優しい、夜だった。
*
朝。
宿を出て、馬車に揺られる。
昨日よく眠れたせいか、気分が良い。
馬車から外を眺めていると、視線を感じた。
そちらを向くと、リロザがこちらを見ていた。
「…どうかしました?」
「…あ、いや…」
すまない、と謝られる。
「どうかしたのか、と聞いておられるのですよ、ジェイド様は」
リロザの隣に座るムクギが言うと、リロザは「あ、ああ」と情けなく返事をした。
「いや…見惚れてしまってな」
「え?」
リロザが、控えめに笑う。



