月夜の翡翠と貴方



「………あれは、ただ、油断させるために言ったんだよ」

「へぇ。本当に?」

ルトは、まるで誰のことかわかっているような口ぶりをする。

…というか、きっとわかっている。

ああ、もう。

あのまま寝てしまえばよかった。

「本当だよ」

ルトの目を見て言うと、彼は優しく微笑んだ。


「…んじゃ、そう思っとくよ。…眠いんだろ?寝よう」


そう言って、私を寝台に寝かせる。

この部屋に、寝台はひとつ。

少し狭いが、ふたりで横になった。

「…私のこと、落とさないでね」

「はは。落としたらごめん」

ルトは、少しばかり寝相が悪い。

前に一度、一つの寝台にふたりで寝たら、見事に朝、私の体は床の上だった。