月夜の翡翠と貴方



それに合わせて、起き上がった。


「…あ、ごめん、寝るところだった?」


……あ…

いつもの、口調だ。

私は、ふるふると首を横に振った。

「…大丈夫。気にしないで」

そう言うと、ルトが私の前に立った。

眠たい頭を無理矢理起こしたせいか、少しぼうっとする。

不思議な気持ちのまま、ルトを見上げた。

彼は私の顔を見て、目を細める。


「…頬、見せて」


ギシ…

ルトの片手が、私の横についた。

腰を折り、私に顔を近づける。

左頬に、優しく触れる。

「…痛む?」

「...ううん」

馬車の中で、ムクギが手当をしてくれたから。

痛みは、しない。


「…そっか。それと…」


立って、とルトは言った。