「それは、私も気になっていたのだが」
「あー…」
見ると、ルトはこちらを気にもせず、目の前の食事を頬張るばかりだ。
それに少しむかついて、私は問われたときのために、自前に考えていた言い訳を口にした。
「よく言われるんですよ。売り飛ばしてやろうかって。下手に嫌だって言うと、相手はつけあがりますから。むしろ主人がいますって言った方が、早いんです」
淡々とした私の言葉に、リロザが「なるほど」と納得してくれた。
「大変だな。良い容姿を持つと」
笑って流す。
ルトはやはり、こちらを見ない。
.....溜息が、出そうだった。
*
食事が終わり、部屋へ入る。
昨日と同じ宿なので、部屋のつくりは変わらない。
テラスから、月明かりが射している。
寝台に座ると、昨日の夜のことを思い出した。
「……………はぁ」
ひとり、部屋で溜息をつく。



