男が、訝しげに私とルトを見る。
「……あんたには、そんなに大事な主人がいるのか」
男の問いに、私はちら、とルトを見た。
彼はその質問に、なにも反応していないようだった。
「……………どうでしょうね」
私の返事に、男は益々訝しげな顔をするのだった。
*
それから直ぐに、役人は来た。
すでに縄に縛られ、観念した男達は、大人しく役人達に捕まった。
その間ルトとミラゼは、姿を隠していた。
役人には極力会いたくない、らしい。
私が部屋で男に追い詰められていた際、ムクギの姿が見当たらないと思ったら、負傷していたらしい。
店内で休んでいた彼は、すぐに役人に手当を受けていた。
それから、女店主であるユティマも、二階の一室から見つかった。
縄で縛られ身動きが出来ず、口元を布で覆われ声が出せない状態だった。
やはり、嫌な予感は的中していたのだ。
縄をほどき解放すると、彼女は真っ先にリロザに向けて怒声を発した。
「やっぱり、貴族なんかと関わるべきじゃなかったのよ!こんな目にあって…最悪だわ!」
思っていたより若いユティマに驚いていると、彼女は母親の亡き後、この店を継いだのだとムクギが教えてくれた。



