月夜の翡翠と貴方



男が、訝しげに私とルトを見る。


「……あんたには、そんなに大事な主人がいるのか」


男の問いに、私はちら、とルトを見た。

彼はその質問に、なにも反応していないようだった。


「……………どうでしょうね」


私の返事に、男は益々訝しげな顔をするのだった。






それから直ぐに、役人は来た。

すでに縄に縛られ、観念した男達は、大人しく役人達に捕まった。

その間ルトとミラゼは、姿を隠していた。

役人には極力会いたくない、らしい。

私が部屋で男に追い詰められていた際、ムクギの姿が見当たらないと思ったら、負傷していたらしい。

店内で休んでいた彼は、すぐに役人に手当を受けていた。


それから、女店主であるユティマも、二階の一室から見つかった。

縄で縛られ身動きが出来ず、口元を布で覆われ声が出せない状態だった。

やはり、嫌な予感は的中していたのだ。

縄をほどき解放すると、彼女は真っ先にリロザに向けて怒声を発した。

「やっぱり、貴族なんかと関わるべきじゃなかったのよ!こんな目にあって…最悪だわ!」

思っていたより若いユティマに驚いていると、彼女は母親の亡き後、この店を継いだのだとムクギが教えてくれた。